論文紹介_弱勢現象

自分の連鎖解析の参考としての論文紹介です。以下の論文について紹介します。

Fu, Chong-Yun, et al. “Genetic and cytological analysis of a novel type of low temperature-dependent intrasubspecific hybrid weakness in rice.” PLoS One 8.8 (2013): e73886.

イネの系統で交雑した場合に2遺伝子の補足作用によって,弱勢症状が生じる。本論文での組み合わせは以下のように。

Taifeng (aaBB) × V1134 (AAbb) → F1 (AaBb) 弱勢発現

雑種の表現型がどうなるのか?

・草丈低くなる

・葉色が薄くなる ← 葉緑体に異変あり

・ミトコンドリアに異変があり

・葉に細胞死検出

・高温条件で表現型が緩和される

原因遺伝子は?

ここを重点的に説明します。

まずはV1134の原因遺伝子A

供試材料はBC1F2 (TaifengA//TaifengA/V1134) 292個体。

遺伝型は弱勢発現個体 (AaB-) 、正常個体 (aaB-)に分離する。分離集団となる。

360 SSRマーカーで両親間で多型が検出された29 SSRマーカーを連鎖解析している。

その結果、第11染色体上に座乗することがわかり、さらに、ファインマッピングにて,シーケンス情報をもとに新しいマーカーを作出後,136 kbまで候補領域を絞り込んだ。その領域内で予測される遺伝子は18遺伝子あることが明らかになった。

そこで、RT-PCRで①発現しているか?②高温で発現が低下するか?を原因候補遺伝子としてPick upすることに。

LOC_Os11g44310が条件に該当し、候補遺伝子となる。カルモジュリン結合タンパクがアノテーションされる。カルモジュリンは様々な応答にかかわる。免疫応答によって発現が活性化されることが報告されており、この遺伝子によって自己免疫が誘導され、弱勢を発現していると考えられる。

本当に原因遺伝子かを検証するために、原因遺伝子を特異的に増幅するマーカーを作出した。V1134とBC1F2では増幅されたが、Taifengでは発現がなかった。Locus自体がないと考えられる。

ちなみに、もう片方の原因遺伝子も同様に解析しているが、ラフマッピングまでしか行われておらず。

kum
大学院生。研究対象はトウガラシ。 トウガラシの知見を記します。 その他活動も広報いたします。

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